働き方の第三のタイプ

士業の年収を考察するときは、数少ない貴重なデータを念入りに、角度を変えてよく観察する必要があるでしょう。

実際にその資格で生活していない人が調査に回答していたり、協力者が少なかったりなど、なかなか調査を正確に行うことが難しいわけですが、どんな働き方をしているのか? その点にも目を向けたいところです。
たとえば、社会保険労務士や中小企業診断士、税理士といった資格の場合は勤務型と開業型の2種類があります。どちらの働き方なのか? そこの違いも大きいですね。

もっとも勤務型と開業型については気づいている人がまだ多い様子。しかしさらにもう1形態の働き方が士業全般には存在する点に注意しましょう。それは「開業型を志向しているものの、まだ独立していないというタイプ」です。

ようするに「事務所で働いているものの、他人の事務所に雇われている」という場合です。特に法人格を持った事務所に多いですね。 弁護士の世界でも「居候弁護士(イソ弁)」なんて用語がありますが、司法書士・税理士はもちろんのこと、社会保険労務士や行政書士であってもまれにそのような例があります。このような場合だと、条件がそろえば年収のアンケートにもいっせいに協力している可能性があります。

もっとも弁護士くらいであればまだ、他人に雇われていてもそれなりの年収(500~700万円が平均値といわれています)になることがあるのですが、他の士業で他人に雇われていると、年収が400万円前後、またはそれ以下ということもザラにあるようです。こうした働き方を選んでいる人たちの存在によって、士業全体の年収が低めに誤解されていることが考えられます。

もっとも年収が低いとはいっても、しばらくの間「やとわれ身分」という安定した立場に置かせてもらえて、しかも実務を経験させてもらえるわけです。数年くらい年収が低くても、それに代わるうまみがあるといえるでしょう。

すぐに開業せずに、他人に雇ってもらうチャンスが出てきたら(チャンスが多いとは言えません)、年収・収入関係をはじめ、メリットとデメリットを慎重にふるいにかけて、どうするか判断することが大事でしょう。

行政書士の年収と仕事

通信教育特集